稲作民俗の源流   Folk customs of rice growing in the world       

   タイ山岳少数民族の人々

タイ北部の山岳地帯には、現在も沢山の少数民族が生活しています。
彼らは日本と同じ稲作民族で精霊信仰を現在も、持ち続けています。
顔などは、日本人そっくりで、草木染めなどカラフルな色の民族衣装を着て生活しています。

彼らの農耕儀礼は、実に豊富で、精霊信仰を中心とした伝統的な儀礼が現在も残っています。
これら農耕儀礼の数々は、日本人の文化的ルーツを考える上で大変重要な示唆を含んでいます。
彼らは、焼畑農耕の貧しい生活をしています。
しかし、そこには私達日本人がすでに忘れてしまった素朴さなどを、感じることが出来ます。
そこは、まさに私達のかつてあった日本の故郷へ帰ったような暖かさがあります。

アカ族の特色


    アカ族は、雲南省南部に住んでいて、アカ語は、チベット・ビルマ系に属します。
一般的にアカ族はチベット高原が起源とされていて、長い間に渡って雲南省南部
やビルマ北部
それにラオス北部タイに移住してきた。アカ族が最初にタイに移住したのは、 1800年代であるとされている。
 タイ国内のほとんどのアカ族は、チェンマイやチェンライなど6県の山中など標高 1,000メートル付近に居住している。

アカ族は、1995年の調査では4万8千人以上が258の村で生活している。

家族は大家族制で、父系が一族の血縁、婚姻、同居、相続権の元となり、 習慣的に一夫一婦制ですが、実際にはアカの男性が二人以上の妻を持つこともある。
 彼らは移動農業を行いますが最近では焼畑農業が禁じられ定住生活をするようになってきた。
主に陸稲を栽培し、他にとうもろこし、稗、唐辛子、豆、ニンニク、ゴマや野菜、果物を栽培している。
また鶏、豚、水牛が飼われ、儀式にこれらを使い人々に供せられます。
 アカ族は、日本と同じ精霊信仰であり先祖崇拝と精霊に重きをおき、8月の中旬から9月中旬の間に開かれる4日間の「ブランコ祭り」は、楽しい催しです。この時は、民族衣装を着飾って行事に全員が参加します。また12月に4日間新年を祝います。


       タイのアカ族村


      アカ族の女性

アカ族の女性は、頭に銀製の兜をかぶっているのが特色です。
その兜の種類によって、アカ族の種族を見分けることが出来ます。
また、衣装も独特のもので、悪霊が体内に入らないように防御の意味があります。
精霊信仰を信仰するアカ族の女性は、寝る時も頭飾りをはずさず自分たちの文化を誇りとしています。


       アカ族の室内

アカ族の住居

日本の萱葺きと同じで、暑い気候のため高床式の入母屋造りの住居に住んでいます。
この住居は、かつての日本の民家と同じもので、昔にタイムスリップしたような錯覚におちいります。
部屋は、男と女の部屋が別々にあり、も別々に設置されています。


       タイのパダウン族(通称・首長族)

タイのパダウン族

女性は、真ちゅうの輪を首に巻いているのが特色で、このため小さい頃から少しずつ首が長くなり、大きくなるにつれて数を増やして行きます。
しかし、このパダウン族の女性がすべてこれを付けているのではなく、本来は満月に生まれた女性のみだそうです。しかし、今では大変有名になり、観光用のモデルとして活躍している人達が多いようです。

タイ北部のパダウン族(通称・首長族)


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